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マイクロソフト、ARM版 Windows 8 の詳細を公表。デスクトップ環境とOffice 15を搭載

マイクロソフトが ARM版 Windows 8 の詳細を公開しました。ARM版 Windows 8 (Windows on ARM, WOA) は、ライブタイルが特徴の " Metro スタイル " UI、アプリ開発フレームワーク WinRT、統合ストア Windows Store などと並んで、あるいはそれ以上に重要なWindows 8の新規要素。しかし従来は、デスクトップ版 (x86/64) Windows 8 との互換性などを含め、肝心の詳細については不明な部分が多いままでした。

リンク先の Building Windows 8 記事はこのARM版 Windows 8 について、チップレベルからハードウェアやドライバ、カーネル、コアOS、アプリフレームワーク、さらにはPC製品としての展開やエコシステムまで、詳細に解説する長大な内容です。親切に用意されたまとめですらかなりの分量に及びますが、基本は Windows on ARM (WOA) を大きなWindows ファミリの一部として、共通の基盤を持つ Windows Server や Windows Phone などと並べて位置づけるもの。従来の「Windows 8はひとつ。以上」的な発言から、WOA と Windows 8 (x86/64) の棲み分けをより明確にしています。

Windows on ARM について、既知の要素やようやく明確になった点、初公開の部分までをひっくるめていくつか抽出すれば:

・WOA 搭載PCは、x86/64 版 Windows 8 用に設計されたPC と同時期の発売が現在の目標。
・WOA はプリインストールのみの販売。ハードウェアと密接に統合されており、単品のOS売りはない

・Windows Store で販売される Metro スタイルアプリは、共通のWinRT フレームワークによりWOA と x86/64 を両サポートする (できる)。
デスクトップ版とおなじ IE10 でHTML5標準に対応業界標準のメディアフォーマットに対応し、HTML5とともにハードウェア支援が有効。
・従来の x86/64アプリ(バイナリ) の仮想化またはエミュレーション実行機能は搭載しない。

・WOA 搭載PCは、携帯電話のように原則的に電源を切らずに運用する。電源ボタンを押したり画面オフになった場合は、従来のPCでいうスリープや休止ではなく、超低消費電力かつネット接続を維持した " Connected Standby " モードに入る。(要は待ち受け状態。Windows 8 は x86/64でもこのConnected Standbyに対応)。

・タッチ対応の Metro スタイル UI に加えて、従来どおりのWindows デスクトップ環境も搭載する。Explorer を使ったファイル操作やコントロールパネル、マウスとキーボード前提の操作、外部周辺機器のサポートなど、従来のWindows が備えていた機能のほとんどを備える。
フル機能のデスクトップ版 Office 15 (仮) が用意される。Word, Excel, PowerPoint, OneNote 。タッチ操作や低消費電力・低消費リソースを実現しつつ、x86/64版と同等の機能と完全な文書互換性を備える。


・Windows 8 (x86/64) の次のマイルストーンリリースと同時期に、一部の開発者やハードウェアパートナーを対象とした招待制の評価プログラムを開始。少数のテスト用PCを配布する。
Windows 8 (x86/64) のコンシューマープレビュー、いわゆるベータ は2月末に配布。登録不要で誰でもダウンロードして試せる。


といったところ。続きにはさらにまとめのまとめと、マイクロソフトによる短い解説動画を掲載しています。


Windows on ARM搭載PC

・Windows on ARM 搭載のPCは、タブレットだけではないさまざまなフォームファクタで登場する。
・ARM版と x86/64版 Windows 8 PCは、消費者が混乱しないように分かりやすい区別で販売される。

・Windows 8は、ARM版も x86/64版もエディション構成については未発表。あらゆるタイプのユーザーにとって、市場で競争力のある価値を提供するとの表現のみ。

・ARM SoC パートナーはNVIDIAQualcomm、TI。基本的な命令セットを超えた部分についてはチップメーカーによってまったく異なるため、それぞれとの密接な協力によりどのプラットフォームでもシームレスな体験の体験を目標とする。
・Windows on ARM のバイナリそのものは、SoCのベンダーによらず共通。さらに新たなHAL (ハードウェア抽象化レイヤ) により、さまざまに異なるSoCの上でアプリやハードウェアの互換性を保つ。


Windows 8 アプリについて (ARMと x86/64共通も含む)

・Metro スタイルアプリは、新規の WinRT API を利用する。WinRTはARMでx86/64でもおなじAPIを提供するため、アプリの互換性を確保できる。
・Metro スタイルアプリの開発にはC#, VB, XAML, または HTML5 (+JS) が利用できる。
・またC / C++ のネイティブコードも、WinRT をターゲットとするかぎり使用できる (ネイティブコードを使えば、その部分は必然的にアーキテクチャごとに別になる)。
・Metro スタイルアプリについては、配布はWindows Store ダウンロード限定。ダウンロードできた時点で互換性は保証され、またマルウェアのリスクも低い (他のマネージドなアプリストアが安全である程度には)。

・Windows 8では LIVE ID でログインする。つまり原則的には全ユーザーがクラウドサービスと共通のIDを最初から持っていることが前提。ストレージの SkyDriveHotmail 、メッセンジャーが標準で提供される。
・Metro スタイルアプリでは、サードパーティーが LIVE のクラウドサービスをアプリに組み込むことができる。アプリにクラウドストレージや統合したい場合は SkyDrive (1ユーザ25GB) 、共有のコンタクトリストは Hotmail、リアルタイムメッセージはLIVEメッセンジャー、LIVE ID を使ったシングルサインオンなど。

・LIVE ID とサードパーティーのサービスを組み合わせる Live Connect により、Facebook チャットや Twitter / LinkedIn の更新通知などを標準の Metro スタイルアプリで扱える。
・一方で、標準アプリを使わず好みの別アプリに置き換えることも可能。Windows Store で販売するアプリであっても、マイクロソフトのクラウドサービスや広告サービス、アプリ内決済などを使う必要はない。


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マイクロソフトの Windows プレジデント Steven Sinofsky 氏による長文でくり返し強調されるのは、 " no-compromise " (妥協のない) という表現。従来の x86/64 アプリとバイナリ互換のないARM版 Windowsにあえてデスクトップ環境を用意していることは、この no-compromise の例として説明されています。いわく、過去を断ちきりシンプルに、純粋にするためデスクトップを撤廃してはどうかとの声もあったものの、「便利でユーザーにとって負担が少ないものを諦めることは妥協であり、PCの進化にあるべきではない」。

また「既存の x86/64 ソフトウェアが必要なら、x86/64版 Windows 8 が最適だろう」としつつ、もし非Windows のデバイスを検討しているならば、ストアアプリと開発者プラットフォーム、タブレットを含む多様なフォームファクタ、周辺機器対応に加えて、OfficeアプリとさまざまなWindowsの基本機能を備えた WOA はもっと魅力的な選択肢だろう、といった表現もあります。